【Vol.77】リノベる地下にはラボがある!モノづくりの原点に立ち返る場所「b1./ビーワン。」(前編)

2023.05.10
このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly
【Vol.77】リノベる地下にはラボがある!モノづくりの原点に立ち返る場所「b1./ビーワン。」(前編)

2021年4月、表参道にあるリノベる本社地下1階に「b1./ビーワン。」がオープンしました。

モノづくりの原点に立ち返り、素材のディテールやプロダクトを体験できる空間で、ギャラリーやイベント開催を行ったり、デジタル製造加工機「ShopBot(ショップボット)」を備えた工房もあります。

それにともない、モノづくりが好きな社員が集まってShopBotチームが誕生しました。今回はメンバーの古久保、根本、武田の3名に「b1.ビーワン。」について話を伺います。

プロフィール
古久保 拓也
経営企画本部 インテリアデザイン部 部長

根本 正弥
リノベーション本部 施工技術部

武田 峻哉
都市創造本部 都市創造部

それぞれのモノづくりの原体験

――まずはみなさんの現在のお仕事と、モノづくりの原体験のようなものがあれば、教えていただけますか。

古久保:私は、インテリアデザイン部の部長として、リノベるのインテリアに関わる事業を担当しています。2021年にはリノベる表参道オフィスの地下1階に多目的スペース「b1./ビーワン。」をオープンし、企画展やイベントなどの開催もしています。

モノづくりとは少し違う側面ですが、インテリアや空間作りが好きなのは、小学校低学年の頃に初めて自分の部屋を与えてもらったのがきっかけかもしれません。父親が家具を一式プレゼントしてくれて。自分で自分の部屋をレイアウトできるのが楽しくて、模様替えにすっかりはまってしまいました。秘密基地を作る感覚だったんだと思います。おもちゃが家具になって、そこから空間づくりに興味がわきました。
今でも椅子が好きで、家にあるのは17脚ほどですが、これまでで70脚以上は買っていると思います。(笑)

リノベるに入る前は、グラフィックデザイナーとして活動していましたが、思い立ってロンドンへ渡り、アートディレクターとして企画制作を行う傍ら、アンティークのバイヤーもしていました。空間作り自体が好きだったので、すでにあるものを売るのではない、自分で作り上げるリノベーションに惹かれてリノベるに入りました。2018年に「インテリアからはじまる住まいづくり」をテーマにインテリア事業を立ち上げ、現在に至ります。

根本:僕は施工技術部に移って、1年ちょっと経ちました。多能工という職種になるんですが、現場に出て、大工さんをやったり塗装をやったりしています。その前は設計の部署にいて。最初は僕、設計で入ったんです。

原体験みたいなところにもつながるんですが、僕は父親が材木屋で働いていて。小さい頃から一緒に作業場に出入りしていました。父親はなんでも自分で作っていましたね。キッチンに置くワゴンみたいなものとか、棚とか。床も張り替えちゃったり。

高校生ぐらいになって設計を目指すようになり、大学で建築学科を出たあと設計事務所に勤めました。何年か勤めたんですが、設計の仕事って、作ることよりも、いろんな人たちを動かすことが仕事の大半なんですね。僕の場合「モノ作りしたい」という思いが根底にあったので、一度辞めて原点に戻ろうということで、地元の工務店の門を叩きました。5年ぐらい戸建ての新築の大工さんをやった後、もう一度設計の仕事をしてみようかなと思い、元々古いものはすごく好きだったから、リノベるは憧れの会社としてあって、それで入社しました。
でも自分の案件や他の人たちの案件で現場を見るうち、設計者として関わるより、現場を経験した人間として関わる方が、入るべき隙間がたくさんあるなと思って、タイミングがあったときに異動させてもらい、今に至るという感じです。

武田:僕は20年の4月に新卒で入社して、都市創造本部という部署に所属しています。主に法人のお客様に対し、不動産再生事業を中心として新築からリノベーションまで大小様々な規模のプロジェクトを進めている部署になります。

個人向けのサービスと同様に、企画のご相談から設計、施工、運営までをワンストップで対応できる部署で、僕の役割としては設計者の立場からその役割を広げて、商品企画や施工まで、プロジェクト全体のデザインだったり、コストやスケジュールの管理などを担うことが多いです。

僕は根本さんのように小さい頃からモノづくりの環境にいたわけではないのですが、今思い返すと、家にブロックのおもちゃが2〜3箱ぐらいあって、それを組んで遊ぶのが好きでしたね。

大学で建築を選んだのは、あまり積極的な理由ではなくて、どちらかと言えば消去法的にやりたくないものを除いていったら残ったものが建築だったという感じで。でも入ってみたら面白くて。大学ではどちらかというとこもっているタイプで、主に都市の歴史について研究していました。

 

住まいづくりの裏側をみんなが体感できる

――この対談が行われている、本社地下1階の「b1./ビーワン。」はまさに“モノづくりの原点に立ち返る場所”ということですが、b1.について少し詳しく教えていただけますか。

古久保: 当初はこの場所にショールームを作る予定で進めていたのですが、解体していくうちに魅力的な空間が出てきたんです。ショールームとは違った顔として、素材のディテールやプロダクトを体験できる、流動的で実験的な場所にできないかと考えました。

モノづくりの現場はオートメーション化がどんどん進化していますが、実際の僕らの商材であるリノベーションは、設計担当者が図面を引き、大工さんの手仕事で完成しています。

どこかの知らない工場で生産されたものではなく、現場で人が手仕事で作っているんだということを今一度社員が考え、体感・参加できるような場所を作りたかったんです。
自社のサービスの難しさ、尊さみたいなもの感じて自分たちのサービスを誇りに思ってもらえるといいなと考えました。

ちょうどコロナ禍でリモートワークが増えコミュニケーションが希薄になりがちな時期だったということもあり、「be one(一つにまとまる)」と地下1階で「b1」とをかけて「b1./ビーワン。」と命名しました。

「b1./ビーワン。」コンセプト
〜B1 Be one Be No.1〜

❶地下一階を意味する“B1”
❷そこに暮らす人々とリノベるが一つになる“Be One”
❸あらゆる作り手と共に、日本で一番おもしろいことをする空間を目指す“Be No.1”。

 

古久保:全体のデザインは、たつむら青山マンションの4Fに完成したショールームと対比させようと思いました。
お客様にも家がどうやってできていくのかを体感いただけるように、床の下や壁の中を見ることができる未完成の空間にし、ギャラリーと工房、ライブラリー+ミーティングスペースに分けました。

(壁の下地など、家作りが中から分かるようにあえて未完成にしている)

ギャラリーは自分たちがリノベーションを通じて感じたこと、お客様にお伝えしたいことを表現できる場としてつくりました。時には素敵なブランドさんたちとコラボレーションして、ライフスタイル、家づくり、モノづくりを表現できるスペースにもなります。4Fのショールームと合わせて企画することで、ギャラリーや、お店、リノベーションなど、ショールームではできない表現にこだわって企画しています。

(HAYとコラボしたイベントの様子)

(偏愛なくらしを紹介する企画展「偏愛くらし展 #猫 byリノベる。」の様子)

ラボと呼んでいる工房は、代表の山下の思いもあり、社員が幅広くモノづくりを自分ごととして捉え、参加できる場になるよう意図しています。
ミーティングスペースはお客様との打ち合わせにも使うので、ライブラリーとあわせて現場の困りごとを解消できる場になればと思っています。

例えば、通常メーカーから取得するサンプルは少しサイズが小さめで、手にとってもイメージが湧きにくいという現場の困りごとを聞いていたので、ライブラリーではより実際に近い形でイメージできるようにしています。

(工房(ラボ)の入口)

(ライブラリーには、サンプルを4面で組み合わせられるボックスを準備。
家の中で使用した時のイメージが湧きやすいよう4面になっている)

(家作りの終盤に登場し、数ある商品の中から探すのに一苦労なアクセサリー類、カーテン類も、目の前で確認できるようキュレーションして配置)

(ミーティングスペース。ここでサンプルを見ながらお客様とカウンセリングも行う)

前編ではモノづくりの原点に立ち返る場所「b1./ビーワン。」についてご紹介しました。後編では工房に備えたデジタル製造加工機「ShopBot(ショップボット)」について探っていきます。

▼続きを読む
【Vol.77】リノベるのラボに、ひみつ道具がやってきた!? デジタル製造加工機「ShopBot(ショップボット)」を大公開!(後編)

このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly