【Vol.68】リノベるをライフスタイルのプラットフォームへ。DeNA出身の経営企画室長 上林靖史の視点

2021.02.08
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【Vol.68】リノベるをライフスタイルのプラットフォームへ。DeNA出身の経営企画室長 上林靖史の視点

中古マンション探しとリノベーションによる住まいづくりを通して、一人ひとりのお客様に寄り添ってきたリノベるに、2020年12月、経営企画室が発足しました。室長には数々の企業の経営に携わってきた上林靖史が就任。彼自身キャリアの集大成として選んだリノベるというフィールドに何を見ているのか?これまでの仕事歴を振り返りながら、その思いに迫りました。

■プロフィール

上林 靖史   Yasushi Kanbayashi
リノベる株式会社  執行役員 経営企画室 室長
1991年、東京大学法学部を卒業後、株式会社日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。2006年に株式会社インデックスホールディングスへ。事業立ち上げや財務部門を経験し、2009年より株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)にて執行役員経営企画本部長を務める。2012年にDeNAとカード会社(三菱UFJニコス社)のジョイントベンチャーでネット決済業務をやっている株式会社ペイジェント 代表取締役社長に就任。2019年よりDeNAのスポーツ事業および横浜市の街づくりに関わるスマートシティプロジェクトに参画。そして2020年、リノベる株式会社へ。

DeNA時代の戦友がつないでくれた、リノベるとの縁

僕も山下さんと同じくラグビー経験者。といっても彼は根っからのラガーマンですが、僕は高校までバスケット一筋。ちょうど同志社の故 平尾(誠二)さんが大活躍しているのをみて、大学から始めたミーハーです(笑)。でも、ラグビーをやっている人間ならではの波長というのか、山下さんに初めて会ったときに「この人とは合うな」と感じました。一昨年のラグビーW杯で、日本人も外国人観光客も初対面同志肩を組んで盛り上がっていたじゃないですか。まさにあの感覚です。

リノベるとの出会いは、社外取締役を務めている小川さん(小川智也 氏/リノベる社外取締役、株式会社アカツキ Head of Global Game Expansion)の紹介がきっかけ。小川さんとは、DeNAでご一緒してからのご縁です。実は僕が2010年に面接して採用し、経営企画本部長のポジションを引き継いだのが小川さんなんです。

金融機関から、世界をリードするモバイルインターネットの世界へ

キャリアのスタートは銀行。約15年勤めました。
ちょうど2000年前後、NTTドコモのiモードを筆頭に、モバイルインターネットで日本が世界をリードしていた頃、通信やテクノロジー、メディアの会社にM&Aや海外進出の提案をしていたのが僕です。成長企業に成長戦略やM&Aの提案をするうちに、
その後の“事業をつくる”ことのほうが面白いんじゃないかと思うようになって。モバイルコンテンツで飛ぶ鳥を落とす勢いだったインデックスという会社に移りました。そこで一度ファイナンスから離れて事業の畑へ。最初は4人でモバイルコンテンツの子会社を立ち上げます。手がけていたのは、今でいう名刺管理クラウドのようなサービス。しかし、ガラケーのパワーや通信速度の問題とかいろいろタイミングもあったのでしょうが、結果として軌道にのりませんでした。残念ながら会社を縮小して親会社のほうに戻ったのですが、そちらも厳しい経営状況にありまして、バランスシートの整理が僕のミッションというキツイ時期を過ごしました。これは本当にキツかった(笑)。

プラットフォームの成長・拡大を担ったDeNA時代。目線は“彩りある社会”の実現へ。

次にお世話になったのがDeNAです。これも人の縁。中学からの同級生が引き合わせてくれたのが、南場さん(南場智子氏/株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役会長)でした。2008年の暮れにランチで「前職で疲れたので、これからは趣味を仕事に」なんて言って、初対面の南場さんから「志の低いことを言うな」と強烈に怒られたのを覚えています(笑)。が、そのまま初台の会社に連れて行かれ2009年の1月から働くことに。DeNAでの最初の3年半は経営企画をやりました。入社当時、本体は300人弱だったのが、3年後には国内2000人、海外2000人の規模に。アメリカ、中国、ベトナム、チリ……世界中の会社を、さらには横浜ベイスターズの案件です。僕も最初の役員に名前を連ねていますが、非常に貴重な経験でした。(プロ野球の球団は)日本に12しかないものですから。社会的なインパクトは肌で感じましたね。また、当時は特に役所とかはネットベンチャーを理解するという歴史も浅く、いろいろなことで説明にいかなければならないとか、これもエネルギーを使いました(今は隔世の感があります)。
その後、金融機関とのジョイントベンチャーの経営を6年やりました。決済インフラなのでシステム障害が起きたら何千という加盟店の方々にご迷惑をおかけするので気の休まる時がなかったですね(深夜の電話にはめちゃめちゃ過敏に)。でも合弁先の会社の方々と力を合わせて大きな案件を成し遂げた時の達成感はいいものです。
そして最後の2年でスポーツ事業のとりまとめと横浜の街づくりを。横浜スタジアムに隣接する横浜市役所跡地の再開発を中心に、スマートシティ化を進めるプロジェクトです。リノベーションというものを知ったのもこの時。
自分が街づくりに関わるようになって、街を歩いていても景色の見え方が変わるんですよ。少子高齢化が進むなかで、こんなに新しい“ハコ”もいいが、今までのアセット活用もあるのでは?とモヤモヤと感じたり。また、プロジェクトを進めるにあたって、「なぜDeNAが街づくりに関わるのか」を説明する責任もあるわけです。社会のあり方として、人それぞれが自分の思いや生き方に彩りをだせることが一番大切なんだよねと、そういったことを南場さん始めメンバーの皆さんとよく話をしていました。
(写真:記念に贈られたユニフォームと)

思えばこのときから、リノベるにつながる縁が始まっていたのかもしれません。
リノベーションってまさに自分の思いや生き方を表現して、見える化するプロセスじゃないですか。新築ありきの街づくりに対する疑問であったり、衣食住の衣食だけでなく“住む”ことには人の思いやライフスタイルを表現できる余地がまだまだあるんじゃないか、建物・ファシリティだけでなく、その上にのせるコンテンツにどう自分らしさというコンテクストを混ぜ込んでいくかが重要だという発見であったり、そうしたもろもろが、リノベるという会社を知ったことでパチパチっとはまった気がしたんですよね。そういえば、リノベるの方々と最初に会った時に渡された名刺がパズルのピースだったのも何かの縁、ハマったということに(笑)。

リノベるを、世界に通じるライフスタイルサービスのプラットフォームに

リノベるのサービスは、リノベーションの体験価値をベースとして、人のライフスタイルを多様化し彩りあるものにするために、人の暮らしに寄り添っていくもの。先の話だとは思いますが、これは日本だけでなく世界にも通じるものがあるんじゃないかと思っています。リノベーションって、ユーザーにとてつもないレベルの体験価値を提供していると思うんです。

リノベるのサービスを使ってリノベーションされたお客さまから、例えば10年後にまたリノベーションするタイミングでご相談いただく……というサイクル“だけではなく”、初めてのリノベーションを共にして竣工しお引き渡しした瞬間の感動のままに、それからの暮らしに常に寄り添ってサービスを提供しつづける。それこそ毎日のように使ってもらえるサービスを。リノベーションの体験価値をエンジンに、住まいだけにとどまらない、ライフスタイルのプラットフォームとしての役割を果たすことができるんじゃないかと考えているんです。

リノベるのプラットフォーム上にはすでに、エンドユーザーもいれば不動産事業者や施工業者など提供者側のプレイヤーもいますよね。両面があるということこそがプラットフォームとしての強みです。僕だけでなく、社外取締役に小川さん、元メルカリの長澤さん(長澤啓氏 /リノベる社外取締役、ミネルヴァ・グロース・パートナーズ有限責任事業組合 創業パートナー)と、それぞれ異なる領域で確固たるプラットフォームを築いてきた方々がいて、皆がライフスタイル・プラットフォームとしてのリノベるの可能性を確信している。是が非でも実現したいですね。

さまざまなサービスのきっかけは、リノベるのスタッフのなかにすでにあるはずだと思っています。それを、いかに表に出して形にしていくか。例えばお風呂に入っているときにふと思い浮かんだことでもどんどん外に出していっていいんですよ。もしかしたらそこから、多くの人の暮らしを彩る新しいサービスが生まれるかもしれない。スタッフたちが日々のなかでふと見つけた“種”を一緒に育てていく、これが僕の役割であり、ひいては経営企画室のミッションだと思っています。

リノベるの中に眠っている“種”を、一緒に育てていきたい

経営企画ってお高くとまっているのではなく、ある意味“何でも屋”なんです。誰かが始めた新しい取り組みをサポートしたり、どこかで煙が上がったら一目散に現場に向かって最前線で一緒に動いたり。ひとまず安定してきたら、また次の現場に向かう。まさに“使われてナンボ”の役割なんです。スタッフの皆には、ぜひどんどん使ってもらいたいですね。

インタビューこぼれ話

僕自身のライフスタイルの目標というところでいうと、とにかく本が好きで。本に囲まれた暮らしがしたいなあと思っていますね。本棚だけじゃなく、階段の下や廊下など、あちこちに本が置いてある家。家族が賛成してくれるか分からないですが(笑)。リノベーションという手段を知り、いろんな事例を目にするなかで、「もっとこんなことができたかもしれないな」というのは、本当によく感じています。そうそう、あと10年もすれば子どもたちも独り立ちしているでしょうし、海辺に小さな家を持ちたいなという夢もあります。一階はすべて応接で、二階が生活空間。そして一階でちょっとしたカフェをやりたいんです。好きな本や釣りの道具と鉄道模型を置いたり昔のラグビーの試合がモニターでさりげに流れていたり。そして月に一度の定休日は東銀座の歌舞伎座にいく……。今のうちからリノベるの仲間に相談しておこうかな(笑)。

撮影:古末拓也

 

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